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2017.03.13 お知らせ

【特集】学習支援スタッフ Interview 第2回 藤原祐二さん

インタビュー1702藤原さん1 (2)

自分自身の経験になると思い、参加を決意

‐アスイクでの活動内容について教えてください。

週2回、学習支援スタッフという形で一つの教室を持っています。
子どもが来る時間(18時~)までに教室を開けて待っています。
アスイクに参加して2年になります。

‐藤原さんって学生さんですか?

はい。2011年から通信制の大学に5年ほど通って、まだ4年次を継続していて、来年卒業の予定です。
通信なので、一般とは違いちょっと卒業するのが大変なんですよね。レポートの数がすごくて。
僕もともと普通の大学にも通っていなかったので、普通の卒業単位と教職の単位合わせて190単位くらいあって、
更にレポートが150枚位を卒業のために提出しなきゃいけなくて。
それもようやく目途が付きました。

‐通信制、大変そうですね・・・その前は何をされていたんですか?

高校卒業と同時に一般の建築の企業に勤めました。
その当時から先生になりたいと思っていたんですが、自分のお金を貯めて大学に行くつもりでした。
就職したのもお金を貯めていろんな人生経験を積むため、ですね。もともとの目標が教員になることなので。
中1の時に父を亡くしていて、ひとり親家庭で家庭環境が厳しかったんです。
親に迷惑をかけたくなかったので、自分のお金で行こうって決めていました。

‐そこまで先生になりたい!と思った理由って聞いていいですか。

中学の時に陸上部で、その先生がすごく厳しい方だったんですが、同時にすごく尊敬できる先生で「こういう風になりたいな」って思ったんですよね。
当時、僕何でも中途半端だったんです。中1の時に水泳部だったんですがそれも辞めて。
でも中2のある時「自分を変えたいな」って感じた時があって、部活見学をしていたら陸上部がものすごく厳しそうで「あ、いいな」と思いまして。
入ったら案の定厳しくて、でも自分の中でものすごく充実感を感じるようになったんです。先生はいつも生徒を信じてくれる方でした。

先生がよくおっしゃっていたのが「長距離走は努力したら努力した分だけ結果が出るから頑張れ」って。
ずっと信じてやっていたら本当にその通りで、僕中学を卒業する頃には県大会で8位にまでなっていました。その先生の言葉と指導力のおかげで努力する楽しさを知りました。
今もたまに連絡を取っていて「勉強、頑張れ」ってメールでいただきますね。

‐アスイクの参加のきっかけを伺ってもいいですか?

教員になるのが夢なので、教育に携わる仕事がしたいと思っていたんです。塾か家庭教師がいいなと思って探していたら、塾で「通信教育の方は遠慮します」と言われてしまって。
そこで更に探していたらアスイクを見つけました。
内容を詳しく見たら「ひとり親家庭の子どもたちのサポート」とあって、自分も似たような境遇なのと、自分自身の経験にもなるなと思って応募することにしました。

‐勉強とアスイクって大変そうですね・・・

いえいえ、週2回ですし、夕方から3時間ちょっとなので、移動含めてもそんなにかからないので大丈夫ですよ。
むしろ他の時間を勉強に充てられるのでありがたいです。
他には家庭教師を週に3回と、ガソリンスタンドでお客様に販売をする仕事を週に1回やっています。

‐え?!週に6日働いているんですか?!頑張りますね!

それぞれがそんなに長い時間ではないので大丈夫ですよ。

‐尊敬します・・・。

 

子どもの話をきちんと聞いて、誠実に対応したい

‐子どもたちに2年間関わって、嬉しかったことってありますか?

子どもが暗い顔で、見るからに鬱憤が溜まっている状態で来て、そのあと話をじっくり聞いてあげて、フォローしてあげることで、帰る頃には笑顔になっているのを見ると嬉しいですね。
女の子が多いので自分から話してくれる子が多いんですけど(笑)。
元気になって帰って、また次も参加してくれたりするとより嬉しいですね。

とにかくまずは話を聞くようにしています。そうすることで子どもの表情って変わるんですよね。
アスイクに参加している子どもたちってひとり親のご家庭が多いと思うんでなかなか話す人がいなかったりすると思うんですよ。
僕は割と年齢が近い方なので、中学生も比較的話しやすいっていうのもいいんじゃないかなと思っています。

‐なるほど。ちなみに自分から話してくれない子ってどうしています?

そういう子は結構困ったりはします。
自分でも試みようとはするんですが、話がなかなか続かなくてそのまま帰してしまう場合もあります。
そういうときはコーディネーター(本部スタッフ)の力を借ります。教室で何か問題が起こったらすぐ相談しますし、一緒にそれを考えてもらいます。
相談することでうまくいかなかったことがうまく回るようになったりします。

特にコーディネーターが来ることができない曜日に来室する子どもたちを自分の目でしっかり見て、それを相談していたりもします。

インタビュー1702藤原さん2‐見る、っていうのはどんなことを?

表情であったり、出席率であったり、勉強面での集中力であったり、ちょっとした変化であったり。

‐見るって技術は前からできていたんですか?

いえ!できませんでしたし、今も満足にできてはいません。
入った当時は先輩サブに「最近あの子こんな感じだね~」って話をしていたのが、多少なりとも今につながっているかなと思います。
自分と違う視点を与えてもらっていたのかなと思います。

‐自分と違う視点って大事ですよね。藤原さんが子どもたちと関わる上で大事にしていることってありますか?

誠実に対応しよう、って思ってます。
子どもって子ども扱いされるのが好きじゃないと思うんです。一人の人間として接した方がいいのかな、って思ってます。
例えば自分が上から目線で何か言ったとしてもそれって響かないじゃないですか。
だから同じ目線で子どもよりは若干人生経験が多い分、様々な提案をしてみたり。
同じ目線に立って誠実に、って思っています。

例えば最近だと、入試で面接を控えている子と話をしていた時に、同じように頑張らないとだめだなと思って、
志願理由を家で書いてみて「僕ならこんな感じで言うよ」って信憑性を持たせるようにしたりとか、
これ調べてきたから参考にしてね、とかそんな感じですかね。
家に帰って調べてコピーして渡すとかはよくしています。

‐逆に、活動の中で悩んだこととかきつかったことってありますか?

きつかったことって特にないんですが、対大人だと、サポーターさんとどううまくやっていくかって部分が難しいですね。
僕あまり指示を出せないんですよ。
一緒に同じ気持ちでやっていきたいなって思うんですがなかなか言い出せないのでそれがちょっと困っていますね。

対子どもだと、なかなか心を開いてくれない子どもにどう接したらいいかまだ解決できていない部分です。
ちょっとずつ心の距離は近くなっていると思うんですが、まだ難しいです。
いろんな子に対応する力が自分にはまだないなと。
アスイクでの今後の目標は、個人的な目標と重なりますが、多くの子ども達と心を通い合わせることができるように挑戦していきたいと思っています

‐この2年で成長したと思う部分ってありますか?

今まで子どもと関わったことがなかったので、最初はしどろもどろだったんですが、今はたくさん話ができるようになったのでその点では成長したなと思います。
あとはいろいろ質問されることが多いので、適当な返事をしないように都度調べたり、一緒に考えたりして普段過ごせるようになりました。
何を聞かれてもいいように、普段から自分の見識を深めていこうと思えるようになりました。

‐子どもって質問たくさんしますもんね。聞かれて困った質問ってありますか?

そこまで変な質問は来ないんですが、歴史上の登場人物の当時の心境を聞かれたことがあって、さすがにそれはわからなかったですね(笑)。

‐それは調べてもわからないですよね・・・(笑)。
 ちょっと戻るんですが、自分とアスイクの子たちの環境遇が似ているってお話があったと思うんですが、子どもたちに伝えたいことって何かありますか?

偉いことは言えないですが、それなりに僕も周りよりも遠回りしたり、寄り道したり、紆余曲折があって苦労してきましたが、
全部今になって糧になっているなと思うことが多いんです。
だから、境遇に負けないで頑張れば、周りよりも濃い人生を送れるんじゃないかなと思います。

 

子どもたちからたくさん学んでいる

‐勉強、アルバイトと両立する中でアスイクを続けている理由は?

僕自身がまだまだ成長していかなければならないですし、子どもたちと接することで勉強させてもらっている部分が大きいからです。
「勉強させてもらっている」という思いで参加してます。
子どもへの接し方であるとか、聞かれたことに対してどうしていくかとか。
自分の予想している範囲を超えていろんな矢が飛んでくるので、そういったところって実際関わらないとわからないですよね。

‐参加しようか悩んでいる方に、アスイクの魅力を含めてコメントをください。

アスイクの魅力って子ども達と直に様々なコミュニケーションを取ることができるという点で、他の仕事とは明確に異なると思っています。また、そこに魅力も感じています。

子どもたちもいろんな経験を積んできた方に触れ合うことで、人生の糧になると思います。
遠慮せず気軽にどんどん応募してもらえたら、子どもたちにとってもアスイクにとってもすごいありがたい存在になると思います!

(聞き手:今井)

 

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【特集】学習支援スタッフ Interview 第1回 鈴木加奈子さん

 

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